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ふたつめの故郷、はじめての土地 もはや慣れたものであるはずの寒さが体にこたえる 雪を踏みしめ踏みしめ歩くダーゴの体は、ふらふらと揺れていた 「しぬ」 体温が下がり始めた。あの人の最後もきっとこんな感じだろうか ばさっと音をたてて、雪に倒れ伏す ここは、そう、うまいもの好きの藩王で有名な・・・ /*/ 電子的な声「大変ヤド、倒れてるヤド。並列化開始、救助要請」 /*/ 「大丈夫ですか?」 「・・・大丈夫かしら?」 「う・・・」 人の声がした。 雪の中から助け起される 「ここ、よんた藩国?」 「えぇ。よんた藩国ですよ~ 」 助け起した二人の女性のうち、少女らしい、どこかふわふわした印象の少女が声をかける 「ついた・・・」 「行き倒れ?外傷はないけど、早く暖かいところに運ばないと」 こちらは、20代・・・もそれほどはいってないであろう、美女だ 厚着でわかりづらいが、随分とグラマラスなようである 「ここが、よんた藩国・・・」 助けられている本人は、のんきなもので、周囲をもの珍しそうに見回している 同じく雪国である伏見藩国から来たとはいえ、「空気」が違うのだろうか 「うーん、私とフィサリスちゃんだけじゃあ運べないなぁ・・・・あっ、裕樹先輩いいところに!」 遠くのほうに見える人影、痩躯の青年であった。 雪からの反射光を受けて、銀髪が眩しく輝く 「うお、どうした支那実、フィサリス・・・その人は?」 「行き倒れなんです・・・」 答える支那実、フィサリスはなにやら端末をカチャカチャいじっている 「これ・・・」 不意に周囲を見るのをやめて、懐から、なにやらとりだす 手紙であった 封筒には「よんた藩王ならびによんた藩国の皆さんへ だごより」 一番近くにいた支那実が受け取る 「だご、さん・・・?あなただごさんっていうのね?(じー」 「いや、わたしはダーゴです」 「あ、私は支那実です」 「はじめまして(深々」 「こちらこそはじめまして(深々」 お互い深々と礼をする二人。端末いじるフィサリス。のんきだ。 しかし・・・ 支那実のセリフを聞いて、裕樹の目の色が変わった 「だごさんだって!? ごめん借して!」 支那実からひったくるようにして手紙を奪う、うろたえる支那実。 穏やかな外見からは想像もつかない・・・ 「ってことは、伏見藩の人ですね…とりあえずは、王城へ行きましょう」 「ひ、裕樹先輩・・・?」 いつもとは違う裕樹の様子に戸惑う 「あ、ごめんな、支那実」 そうこうしていると・・・ 「到着しました」 「到着ヤドー」 「・・・・?!」 フィサリスが端末で呼んでいたのはこの不思議な生き物・・・・いや、ロボットらしい 「ヤドカリ・・・」 「そう、ヤドカリオウって言うんだ、疲れてるだろうし、これに乗って王城まで行こうか」 ヤドカリオウ。よんた藩国が誇る農業機械であり、ドリル仕様から寂しいときの話し相手まで務めるというワンダーメカであった。 裕樹がヤドカニオウにダーゴを乗せて、王城に向かおうとしたその時・・・ 「クワッ(ぼこっ)」 「よいしょっ!」 地中から(正確には雪中から)突如現れる一人と一匹 「わっ、ライさん!」 「ペンフちゃ~ん!」 「ん? あ、ペンフまた変なとこ出とるやんか。」 「クワッ(ほっとけ)」 「・・・!?」 混乱するダーゴ 「来さん、といいます。もう一匹はペンコフスキー。彼の相棒の穴掘りペンギンですよ」 説明するフィサリス。この国の人はもうなれたもののようだが、地中から出てくるとは。 ヤドカニオウといい、なんて変わった国なんだろうとダーゴは思った。 来と言う人が、魔法使いのようだ、とも 「って、みんなそろってどこ行くんや?」 「お客様が来たので、お城まで案内するのですよ~」 「ははぁ、なるほど、ちょっとびっくりさせたもたみたいやなぁ、なら・・・」 なんだか服装にそぐわない、非実用的なマントを身に着けた、少年かそれとも青年かといった年齢の彼が、パチン!と指を鳴らすと・・・ 「うわぁっ!!」 ダーゴの身に着けていたボロマントの下から、何羽もの何羽ものハトが飛び出したではないか!! 「・・・・凄い」 「やろ?」 満足げに笑う来。 「クワック、クワワッ(まったく、この国は危機感が無さ過ぎる・・・そこがいいところでもあるが)」 「なんや、そう硬いこというなよ~」 「いいコンビ」 なにを喋っているのかわからないが、この一人と一匹が仲がいいことはわかった いい相棒というやつである 「八軒とだごさんもそんな感じでしたか」 不意に裕樹が声をかけた 無表情に見えるのは、わざとなのか、それとも悲しみをこらえた、その結果か。 「しらない。あったことないから」 「あぁ、そうだったのか。ごめん。とりあえず、藩王に会いに行こうか」 「うん」 ヤドカニオウに乗ったダーゴと、妙ににぎやかな、おせっかいで、それでいて優しい人たちは、王城へと向かう 広大な小麦畑を、抜けて。 /*/ 王城につくと、一匹の犬がやってくる 妙に威厳がある犬であった。 「いぬ」 「ん、お客であるか?」 「喋った!」 「でぃ~さん、こんにちは」 「でぃ~様だ、相変わらず綺麗な毛並みですね!」 「でぃ~さん・・・?」 皆が、でぃ~さんと呼ばれる犬に挨拶をする なにを隠そう、このでぃ~さんこそがよんた藩の王犬であった 「おはつにお目にかかる。王の犬でぃ~と申す。以後お見知りおきを。客人」 「よろしくおねがいします(深々)」 なるほど、本来であれば犬が喋るのは驚くべきことであるが、そこはわんわん帝國であり、伏見藩国の王犬ヌルともよく戯れていたダーゴは、すぐにでぃ~を受け入れた 今はおそるおそる頭を撫でさせてもらっている 「でぃ~さん、藩王に用事がありまして。このお客様を案内するところだったのですよ」 「そうか、確か2階執務室で書類と格闘しておったぞ」 「ありがとうございます、では、また」 裕樹が、ダーゴをでぃ~さんから引き剥がす。そして王の執務室へと歩き出そうとするが・・・ ぎゅむっ 床から出てきた何者かを踏みつけてしまった 「・・・もう驚かない」 「驚かないのはいいが、客人、その足をどけていただけると幸いだ」 「ごめんなさい」 「・・・なかなか藩王に会えないな、まったくドクターそんなところから出てこないでください」 素直に足をどけるダーゴ。床から出てきた白衣の男は、蒼麒と言う。裕樹と同じくよんた藩建国当初からの藩民であり 怪しい実験を繰り返していると噂の男であった 「いや、わたしの部屋から異臭がするからと苦情が」 「それはドクターが」 「もう、なんの騒ぎ? あ、支那実ちゃんお帰りなさい」 「真砂姐ぇ~」 やんややんやと、また騒がしくなったところで、一人の女性が姿をあらわした 豊かな銀髪と、しなやかな印象を与えるスタイル この国で姐御と慕われる、敏腕技族の坂下真砂であった 「あら、お客さん?」 「ダーゴです。手紙を届けに」 「・・・一人で?」 「うん、そうなの真砂姐ぇ、この人雪の中に行き倒れてたんだから、ばふーー!って」 「それは大変だったわね、藩王は2階の執務室にいると思うから、案内するわ」 「おねがいします(深々」 スタスタと歩いていく真砂とダーゴ。とてとてと支那実がついていく 「さすが姐御」 「やはり姐御殿は違うな」 「真砂さんカッコいいな」 見送る男性陣 「わ、ちょ、待ってくださいよ!」 「見とれている場合ではなかったな」 慌てて追いかける男性陣 「騒々しいことだな」 「クワ(まったくだ)」 冷静な動物2匹。この構図はいかがなものかという気もするが、そういう国家である。 平和なのは良いことなのだ。本当に。 /*/ 藩王執務室前である わいわいがやがやと、割といつもの様相ではあるが、やっと到着であった 「あ、皆さん~。どうしたんですか?」 首からメモ帳を提げた女の子が執務室前で待機していた 「あら、グラちゃん、どうしたの?」 「藩王様が仕事投げ出さないように監視しているんです!」 「・・・確かに戦後処理は膨大ですから」 度重なる戦争は各国間でのリソースのかばいあいを産み、その外交的な(心情的なものも含め)処理、フォローは膨大な書類仕事となって 各国の首脳陣を悩ませていたが、これはまた別の話である ちなみによんた藩摂政であり、メガネ紳士メードガイであると帝國内でも噂のかくた、はその戦後処理で奔走し、現在国外である よんた藩国のブレーキがひとつ少ない状態とも言えよう 「ア、お客ドノ デスカ?」 急に空々しい喋り方になるグラジオラス。緊張しているらしい。 「はじめまして。伏見藩国から来ました。ダーゴといいます」 「ダ、ダーゴサンデスネ、めも、めも」 かたかたぎくしゃくしながらメモを取り始めるグラ。この少女、物忘れが激しいため首からさげているメモに常にメモをとる癖がある と、執務室で皆が話していると・・・・ 「やぁぁぁってられるかーーーーー!」 執務室から大声 続いて凄い音とともに人影が執務室の扉をぶっ飛ばして飛び出してくる 「うお!?」 「なんだ!?」 「でや」 「ふごっ」 あっけにとられる人々をよそに、足払いをかける真砂 人影はあえなく倒れ伏した 「「「さすが!」」」 叫ぶ一同。普段は美脚かかと落としだという話だ。 「うう・・・」 「藩王、大丈夫ですか」 「この人がよんた藩王・・・」 ずれた眼鏡をなおしつつ、起き上がるよんた藩王。どこの国でも藩王様は面白い人なのだろうか?と思うダーゴ 「藩王、だごさんから、お手紙です・・・」 「・・・だ、ご?」 手紙をそっと渡す裕樹。 ───騒々しい、しかし日常であるが故に幸せなその空気から一転、藩王の表情が変わる・・・ 「えぇ、だごさんから、です」 「・・・そうか」 眼鏡をくいっと押し上げる藩王 先ほどまでの喧騒は、どこか遠くに。 空気がさきほどとは違っている 「じゃあ、いったん退散するわ、ほな」 来は、空気に耐えられなくなったのか、それともいないほうがいいと思ったのか、するりとどこかに去っていった 「とりあえず、ここではなんですから、あちらへ」 「どうぞ、ダーゴさん」 裕樹がダーゴの手を取り、執務室へと連れて行く ふう、と深呼吸しながら、藩王、続いて古参の国民である蒼麒が執務室へと向かった そして 「あ、あの・・・私もいっていいですか?」 「私もお願いしていいかしら?」 支那実と真砂が、名乗りを上げた 「いいよ、ついておいで」 答える藩王。若干重苦しい空気を肩で払いのけるかのようにぐるり、と腕を回し、歩いていった
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こちらは、鏡音リンメインのSS置場です。 愛の手料理(僅かですがBL要素が含まれます。苦手な方は注意!) フエトのための
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この大会はOPを残して投稿者削除済みです 解説 全28タッグ56キャラが登場するタッグサバイバル。 それぞれが☆を3つ持ってスタートし、勝つと相手から一つ奪える。 ☆が6つになったら本戦進出である。 今ではすっかりおなじみになったタッグから珍しいタッグまで、いろいろと楽しめる。 キャラはよく見かける人が多いが、たまにすごく珍しいキャラもいて飽きさせない。 出場キャラクター + Aブロック 味方など捨て駒よ 毛利元就 恋するドラゴン ホラー ワラキアの夜 ELLA ジャージ 堀田大悟 EXまりん 鬼ヶ島 神人豪鬼 伊吹萃香 ピンクの悪魔 カービィ 西行寺幽々子 逆転 ワールド 上海人形 紅鶴 ユダ いろは 武器庫 ムクロ レイレイ 神速 殺人貴 天楼久那妓 炎足 Kill 藤原妹紅 燕返し アサシン 風小燕 カムイ 神威翔 朱鷺宮神依 兄が主役 アンディ・ボガード 紅赤朱秋葉 血の救済 ジェダ・ドーマ アナザーブラッド + Bブロック 名前が12 トゥエルヴ ディズィー ボーダー運送 ゴッドルガール 八雲紫 忍び 服部半蔵 いぶき レイ夢 レイ 博麗霊夢 巨大ロボット ジン・サオトメ アル・アジフ レイジングストーム ロック・ハワード カサンドラ 吸血鬼 デミトリ・マキシモフ レミリア・スカーレット 吸引力 大門五郎 大道寺きら 火炎瓶 韋駄川煉 琥珀 風 ゲーニッツ レラ カイザーウェイブ ヴォルフガング・クラウザー ゼノン・ゼシフィード 座薬 ジョー東 鈴仙・優曇華院・イナバ 姫と王子 ベジータ プリンセス・シシー ⑨ Q チルノ コメント OP以外がすべて削除されてるようですが復帰の可能性はあるのでしょうか? -- 名無しさん (2010-08-12 13 47 23) 名前 コメント マイリスト
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個人解釈が強い&デュエルが碌に無いので注意!()は精霊の台詞か心の中で喋ってます 「高等儀式術を発動、デッキのトライホーン・ドラゴンを生贄に終焉の王デミス降臨!!」 (油断するな望アレが来るぞ) 「罠カード発動!奈落の落とし穴これでデミスは」 「予感的中だね・・・」 カードショップmayにて、終園望はいつものようにデュエルをしていた。本当に何の変哲も無いデュエルであり 店内も店外も異変はなく平和そのもの。まさに今日は戦士の休息とでも言うべき日なのだ 現在の状況は望がライフ1000、相手の少年は2600と気の抜けないデュエル ここで望は切り札「終焉の王デミス」を召還した、デミスはご存知のとおりフィールドを壊滅させる まさに終焉の王にふさわしい効果を持つものの、2000ものライフポイントを支払うことと 召還後は魔法・罠を処理しないと効果が使えない、ルール上の弱点をもっているのだ。 「けど読んではいたよ、ここでカウンター罠、魔宮の賄賂!」 ここで発動したカウンター罠、魔宮の賄賂とは相手に1枚カードをドローさせて魔法・罠を無効にできる 使いどころを間違えなければ相手の逆転や恐怖のコンボを封じる強力なカードだ。こうして 奈落の落とし穴が消滅し、少年は欲しくも無い賄賂をデッキの上から袖口に無理やり渡されてしまったのだ。 「こんなの欲しくないや・・・けどお兄ちゃんのライフはもう1000だし僕のフィールドにはマシュマロンが」 (望やってやれ!!私を使いやつを呼び出すのだ!) しかし少年のフィールドにはマシュマロンが存在する。仮にマシュマロンを除去しても200ライフが残る だが望の手札にはこの状況を突破し、さらに止めを刺す切り札が眠っていた。 「(ごめんデミス・・・)まだ終わってないよ、ここで手札からダーク・ボルテニスを特殊召還!」 (ほう、今回の罪人はヤツか望?有罪でよろしいか?) 天井辺りを包む靄のような黒い雲、そこから轟音を響かせ堕ちた雷はデミスを包みこみ、それが消えたころにはデミスの姿はなく そこに立っていたのは暗黒の天空判事「ダーク・ボルテニス」だ。 カウンター罠が発動に成功した時に自分の闇属性モンスターを生贄に捧げなければならないが、特殊召還が可能であり 相手カードを1枚破壊する非常に強力な効果を持っている。 「デミスをリリースして君のマシュマロンを破壊!ダーク・ボルテニスでダイレクトアタック!」 「ま、マシュマロンがっわー!?」 (これにて閉廷・・・それにしても、今回の相手はゴブリンやフロストザウルスと女性がいない真に残念) 「(毎回思うんだけどボルテニスは裁判官なんだよね?)ありがとうございました」 (裁判官が恋をしてはいけないという法はないはずだ) このデュエルはその強力な効果により、相手の少年の守りの要であるマシュマロンを破壊、そのままダイレクトアタックで 決着をつけた望の勝利に終わった。過程にはブレイカーやゴブリンエリート部隊が ダークネフティスに倒され、それをフロストザウルスが討ち取りサンダーブレイクで破壊されるなど 動きがあったがダーク・ボルテニスは好みの女性モンスターは1体も召還されなかったのが残念なようだ。 「もう12時だね・・・」 (ならば望、少し足を運んでセシリアの駄菓子屋に) 「(だったらバーガーワールドでいいんじゃないかな?)」 このダーク・ボルテニスだがいつもは少し自重してるが、こうなったのは少し前に 主人が自暴自棄になり嘆いていたレプティレス達のためデミスが一肌脱いだ (レプティレス達をデッキに投入して暴走する主人を止める、と勝手に約束して望が困惑した) ときにリーダー格のレプティレス・ヴァースキに猛アタックを仕掛け、あと一歩という所で 「あぁヴァーキィ、黒曜石の龍よりも美しいその瞳に私は」 「あぁボルス、けれど私には貴方の思いに答える資格は無いの」 「そんな何故だいヴァーキィ!」 「私ゴール・・・ゴルゴーンと愛し合っているの」 デュエルに勝利し、彼女たちの主人の心と石化させてしまったという友人たちを救い、ハッピーエンドとなった後だったから良かったものの ダーク・ボルテニスは1週間ほどデッキボトムに眠り続けた。これがデュエル前であればダーク・ボルテニスの役目は デッキボトムを生めて少しでも早く別の強力なカードを引き当てるぐらいにしかならないほどに。 助平というかプレイボーイというか好色というべきか天使の癖に肉食系のダーク・ボルテニスは 軽い男と思われ中々上手く事が進まないのだが、その時だけは順調だったもので口では女なんて星の数 などと言っていたが、そのときは本気で付き合えそうだったので落ち込みようも半端ではなかった (妥協して喫茶mayはどうだろうか) 「(聖さんは今日は非番だよ?)」 (世の中うまくはいかないのだな) 「のーぞむー飯食いに行こうぜー」 「あぁ双海くん、いいよバーガーワールドでいい?」 (どうやら願いはかなえられそうに無いな・・・) そこにやってきたのは友人の双海だった。望の親友である彼はデュアルを使う普通の少年だが 奇跡的な逆転や引きを呼び寄せる、天性のデュエリストといえる力を持っている 以前に望とデュエルをした際にはフィールドを壊滅させられるが、ラストターンのドローで フェニックス・ギアフリードを召還し、必殺の天魔爆滅鳳凰斬で望のライフを削りきった事がある 「今はデュアルバーガーが200円だしいい時代だよなー」 「けどデュアルバーガーってボロボロになるから少し苦手かな」 デュエルに関係こそ無いが、日常的な会話を弾ませ二人がカードショップmayを後にしようとしたその時である! 「望ぅ!後生だからお昼奢って!」 「美影さん何が・・・あぁそういえば」 彼女は美影、望の知り合いでありごく普通の家庭に生まれたごく普通の少女なのだが、何らかの原因で多重人格となっている 望はデミスたちの力でそれを知っているが口には出していない。ただ彼女のもう一つの人格はそれを薄々気がつき あえて口には出していないのだが。そんな彼女が何故に望にたかっているのか 「弟さんにプレゼント買ってすっからかんでしたっけ・・・」 「私の財布は焼け野原なのよ!」 弟にプレゼントを買ってサイフポイントがゼロとなってしまったのだ。理由が理由だけに望もNOと言わず バーガーワールドに3人で行く事になった、その最中に見える人にしか見えない特殊な現象が起きたそれは (望殿、いつも主がお世話になりなんとお礼を申し上げればよいか・・・) 「(女王様、いえいえこちらこそお世話になっています)」 望は精霊が見えるのだ、ここで美影の好きなカード「魅惑の女王」が出てきてペコリと頭を下げた。 美影の魅惑の女王は姿から想像できないが、大和撫子を絵に描いたような女性で 他の精霊からも評判がいい。そうこんな風に (女王、あなたの魅力に囚われてしまいました。よろしければ貴方の国の判事に) 「(わっ逃げて女王様!)」 ダーク・ボルテニスあたりは飛びつかざるを得ない。だがこんなのばかりでもなく (天魔爆滅鳳凰キック!) (あらフェニックス・ギア・フリード昨日のデュエル以来ですね) (ご機嫌麗しゅう魅惑の女王) (けれども・・・その、彼は無事でしょうか?) こんな時の突っ込み役を買って出てくれるのが、双海のフェニックス・ギア・フリードだ。 双海のフェニックス・ギア・フリードは騎士道に生きる紳士であり 魅惑の女王に対して、本能的に騎士として守りたくなるものがあるらしい。 「(いつもどおりだなー)そういえば美影さんは何食べます?」 「んー望が選んでいいよ奢ってもらうんだし」 (はぁ・・・すまないダーク・ボルテニスが迷惑をかけた) ダーク・ボルテニスは望のデッキの中に蹴り帰されたが、この3人でいるときは何時もの事なので望は気にしていなかった。 変わりにデミスが現れ、二人に謝罪してる間に3人は次のパックでどんなカードが出るか 自分のデッキに投入できるサポートカードが出ないか、速攻魔法や罠がどこまで強くなるかなど 何気ない会話を楽しんでいた。今はどうやらシンクロについて話しているらしい。 「いい加減にレベル8以外のシンクロモンスターが欲しいな」 「望は闇属性好きだよなー」 「闇属性のサポートが活かせるしね」 「新しい魔法使いはレベルを調整できるのにシンクロできないらしいの、儀式の生贄にでもするのかな?」 (邪神の眷属は動きなしか、表面だけは平和というわけか・・・) (私たちの力は微力ですが精霊の力が必要なときはいつでも) (ありがとう、フェニックス・ギア・フリード、魅惑の女王) と、まったく違う話をしあうデュエリストと精霊であった。そうこうしている間にバーガーワールドに到着した一行 流石に混んでいたが3人分の席を確保して、望が代表として注文しに席を立った。 「デュアルチーズバーガーとハングリーバーガーのセット・・・僕はベーグルサンドでいいや」 内容はデュアルバーガーがハンバーグを2枚使った大型ハンバーガー、通常の倍のサイズがある ハングリーバーガーは野菜などがたっぷり挟まったハングリーな人にもってこいな大型ハンバーガー。もちろん襲い掛かってきたりはしない ベーグルサンドは0歳には与えないでくださいと注意書きされた、真ん中に穴の開いたベーグルだ。 「あっ今カードキャンペーンしてるんだ頼んでおこう」 (何故だか知らないがイヤな予感がする、当たるカードは・・・ランダムか) デミスはイヤな予感を感じつつ、2分ほどでやってきたハンバーガーセットについている、袋に入ったカードを眺めていた テーブルにトレイを乗せ、3人はカードより先に頼んだ品物を頬張り、腹にハンバーガーが収まると満足げにしていた。 まだまだ食べ盛りでハンバーガー一つでは足りないのだが、水物は予想以上に腹を満たすものだ。 「あーお腹いっぱい、ありがとう望このお礼は今度するから」 「いえいえ気にしないでください、そういえばおまけでカードがついてきたんです開けましょう」 「こういうキャンペーンって限定カード入ってきたりするしワクワクするよな」 腹を少し休めてから望が買ってきたカードの袋を配り、上機嫌にそれを開けたのだが・・・ 「きゃあっ!?どうしようブリューナク出ちゃった!?」 「すげっ俺は・・・ヘルカイザードラゴンだ当たりかな?」 「・・・よ、よりによって・・・」 デミスのいやな予感とはこれのことだった。他の二人はそれなりに当たりだが、望が引いたカードは 「・・・黒光りするGだった・・・」 「げっ」 「黒光りするGはだめじゃないかなそれ・・・」 シンクロ召還を防ぐ頼もしいカードなのだが、ハンバーガーのおまけとなると場違いであった 気を取り直すべく、ストローで味が変わるドリンクを飲み干した望はゲップを抑えながら バーガーワールドを後にする。黒光りするG自体は強力なカードなので 決してハズレではなくむしろ当たりなのだが。他の二人は強力なレアカード しかも美影に関してはレートの高い、氷結界の3大竜の1体ブリューナクを当てるあたり 自分の運が落ちているのではと、望を悩ませる結果となった 「望元気だしなよ、この後どうする?」 「またmayに戻ろうかな。」 「俺もmayでデュエルだなー」 飯を食ったらすぐデュエル。すばらしいデュエリストっぷりを見せる二人だが美影は一度セシリアの花屋兼駄菓子屋に行くようだ 3人はここで一度分かれ望と双海は先ほどのおまけセットについて語り合っていた 「何種類あるんだろうなあのパック、いくらだった?」 「セットのおまけだったから1枚の値段は分からないけど、1セットで1枚みたいだね」 「500円って事?割高だなー」 だが望たちが当てたカードはおまけとしては、十分な値段だった。黒光りするGばかりはどうしようもないが。衛生面的意味で カイザードラゴンをデッキキャリアから取り出して何気なく見ていると、双海は何かに気がついたようで 「やっぱり番号とかはおまけ用で特別なんだな、もしかして凄いレアになったりしてな」 「愛好家の人はそうかもしれないね」 カードイラストの右下、そこにかかれるパック頭文字などが普通と違うことに気がつくと裸状態のカードに スリーブを入れて再びデッキキャリアに戻していた。イラストが違うわけでもないので 早々価値があがるかは不明だが。そうこう言っている間に二人ともmayに到着していた。 「うぃーっすただいま店長ー」 「おぉ来たか、実はさっきレアハンターが出たらしいんやな悲劇やな」 だが来て早々にこれであった。レアハンター撲滅のために一部企業はレアハンターに賞金をかけたり 強引なアンティルールなどを厳罰化しているのだが、それでもレアカードの価値に目をくらました 一部の悪しきデュエリストは後を絶たないのだ。 「久しぶりの報告ですね、注意しないと」 「危ないなーなんでレアハンターなんてやるんだろう」 望はデッキにダークシリーズと言ったレアカード、それだけでなく汎用魔法罠も初版の物を持っているなど その道の人にたまらないカードを多数持っているのだが、カードの初版などデュエルでわかる訳が無い 双海もそれなりにレアカードを持っているが、超高額といえるカードはそんなに持っていないので狙われていないようだ 「というわけで福本さんたちに頼んで周回してんやな、レアハンター絶対に許さないよ」 「その分俺たち子供は安心して遊べるんだな、感謝感謝ー」 「福本さんは外か、残念だなぁ」 年上の男性デュエリストと仲のいい望は少し残念そうだが、デュエルが出来ないわけではない がその前に、店内の販売コーナーに足を向けていた理由は先ほどので 少しばかりドロー力が落ちたのではないかと、強欲で謙虚な壷を買おうかというのだ 「やっぱり高いなどうしよう」 (いい効果だが、私たちとは相性が悪いな) 「(そうだよね墓地を増やせないし何より特殊召還が・・・)」 このカードはドローカードとして強力な部類ではあるが、望のデッキは特殊召還が多く墓地を利用する戦術を多様する だが闇の誘惑は制限カード認定を受け1枚だけ、何か手札を交換できるようなカードはないかと目をやるが 汎用性ではやはり壷に勝てるカードは早々無い。考えすぎかと思ったそのとき何かが浮かんだらしい 「あのカードを増やそう、まだあるかな」 (トレードインか?) 「(うんサイドデッキに入れてみる)」 レベル8モンスターを墓地に落し2枚ドローを行えるトレードインはレベル8モンスターの多い望のデッキとは相性がいい だが単体ではレベル8モンスターがいなければ事故要因なので、3枚一気に投入と行かず現状の枚数で様子見のようだ さて、そのころ双海はどうしていたかというと 「えっそんな高いのあのブリューナク!」 「そうやな、今のレートならかなりの値段や」 「すっげー・・・」 どうやら早速デュエルが終わったらしく、対戦相手がいないので店長と先ほどのバーガーワールドのおまけについて語っていたようだ 先ほどのブリューナクは希少価値が高いらしく、確率的には1万円に1枚らしい。500円のセットにつけるから これぐらいが適正枚数だと売り手側は思ったらしいが甘く見積もりすぎていたと言わざるを得ない 「いけーライトアンドダークネスドラゴン!」 「はいはい収縮にチェーンして次元幽閉」 「ぎゃー!ちくしょうけど墓地からパンサーウォリアーを特殊召還!」 店内で子供たちの愉快な笑いが響き渡るころ、望はどうしていたかというと 「時間をお金で買おうかなぁ」 まだ探していた、100円コーナーで目撃談を聞いたので必死に探しているらしい。 望のサイフポイントは500円で揺らぐほど貧弱ではないのだが 一人暮らしの性かスーパーなどの特売に弱いからか、100円コーナーで時間で金を補おうとしていた 「いけミストウォームでパンサーウォリアーとドラゴンゾンビとリバイバルスライムを手札に戻して攻撃だー!」 「ライダーの仇だー!!ディメンションウォールで返り討ちにしてやるー!」 「まだだ盗賊の七つ道具を使わざるを得ない!!」 「カウンターカウンターでどうだ!」 「虚無を呼ぶ呪文だ!」 「トリスタの仇だ虚無ー!神の宣告!!」 「まさかここまで長いチェーン合戦見るとおもわなんやな」 店内ではマダマダちびっ子たちがデュエルを楽しんでいた。そして場所は変わってセシリアの駄菓子屋兼花屋では セシリアに危機が襲い掛かっていた。誰かと誰かがデュエルをしているようだが その様子からして何かを賭けているらしくセシリアはそわそわと落ち着きがない 「きゃー聖さんがんばってー!!」 「ちょっ先生負けたらダメだって!」 「ダメね、月の書の穴は汎用除去にするべきだったわ」 聖が藤山を追い詰めている真っ最中らしい。ライフゲイン戦術でオーバーキルな大きさになったホーリーワイバーン 藤山のフィールドには攻撃表示のマシンナーズフォートレスとユニオンしたギアフレーム どちらも伏せカードを2枚伏せているが、今の聖と藤山のライフ差は7000ほど開いている 仮に破壊効果の罠カードなどでもカウンター罠が眠っているので難しい所である。 「やったね!これでせんせとセシリアとなのちゃんスカウトだ!」 「先生何か無いの!?」 「ミラーフォースや次元幽閉、それかサンダーブレイクが欲しいけど結果はどうなるのかしら?」 「残念、盗賊の七つ道具が伏せてあるから期待できないね」 伏せてあったのはリミッター解除と死者蘇生、1枚はブラフ1枚はカウンター用だったらしいが それを二人に見せてどうしようもない事を分からせ、敗北を知ってるからか あえて聖に結果を聞くと、どの道どうしようもないとお手上げとしてみせた。 ついでに先生である藤山がこんな簡単に負けていいのかというと、新制限に対する デッキ改造のついでセシリアを弄るために、あえて勝ちにこだわっていない節がある。 「ど、どうしてこうなった・・・いやまて私考えるのよここで仲間が助けに来て華麗に逆」 「人数そろったし大丈夫だね!じゃあ必ず来てね」 「こんにち・・・あれ?どうしたの皆して」 ここに来た美影、ついでにここにいるのは聖と藤山それにセシリアとなのである。何故このメンバーかというと セシリアを弄りにきた藤山と、セシリアを眺め悦に浸るためにやってきたなの 彼女の名誉のために言うが過去に色々あったのであって昔はこんなではなかった。 そして被害者のセシリアと彼女らをとっ捕まえて、今度バイト先のコスプレイベントで 人数が足りないので生贄を増やさんとデュエルを挑む聖。というなんともカオスな訳があった なのは年齢的に本当はコスプレしてバイトは出来ないのだが 「あ、あはは・・・美影ちゃんこんにちわ」 「なんかあったみたいだね合掌・・・」 十字を切る美影にがっくりとうなだれるセシリア、コスプレの内容は不明だがmayのことなので碌でもないのだろう 安い駄菓子を買ってきて食べながら話を聞いている美影と、そういえば公務員はバイトが出来ないと 顎に手をやる藤山に何とかと縋るなの、傍から見れば酷い状況なのだがここでは日常茶飯事である。 「先生のコスプレみたいです!!」 「じゃあ今度のテストは100点を取ること、約束できるわね?」 「余裕!」 「なのちゃんは元気だね・・・そだ、今日はいいことあったの」 「ん?」 コスプレを材料に点数を約束させる藤山と張り切るなのを尻目に、美影はデッキキャリアから 先ほどのブリューナクを取り出す。セシリアはカードに詳しいわけではないが ブリューナクの価値を知らないわけではなく、どうしたんだと目を丸くしていた。 「バーガーワールドのおまけで当たっちゃった」 「凄いじゃないブリューナク引き当てちゃうなんて」 「望のおごりなんだけどね、後で何かお礼しなきゃ」 だが今はそれが出来るような金も無いと背伸びをする美影と、花はどう?とさり気無く自分の店の花を勧めるセシリアを 幸せそうに見つめるなの、変態的であるが百合なのでしかたがないのである。 しかしブリューナクに反応したのか、テーブルにずいっと身体を乗り出して美影のブリューナクを眺め 「これBWP-JP13って・・・バーガーワールドのプロモーションブリューナク!?どうしたんですこれ!」 「えっ?当たった」 「その道の人はこれに3万出しちゃうんですよ!」 「さ、三万っ!?普通のブリュでも1万ぐらいじゃんなんで!?」 「企業側が需要を甘く見すぎたんですよいいなぁ・・・」 「とんでもないものゲットしちゃったんだ・・・」 あはは、と頭をかく美影と驚くセシリアとなの。少し離れた場所でレアリティよりも実用性の藤山は気にする事もなく 聖にウェイトレス以外のコスチュームについて尋ねていたが、ピクりと眉が動き 何もいないはずの、近くのごみ用のコンテナに目をやって目を鋭く細める。まるで獲物でも見つけたように 「どったの先生?とりあえずウェイトレスの他はBMGとかウォーターガールなんだけど・・・」 「いえ、気のせいよ月の書が制限になって動転でもしてるのかしら」 はたして藤山がコンテナを睨んだわけとは、そして場面は再度変わりどこかの路地裏 「てめーさんのデビルゾアじゃ役不足だ、メタル化して出直してきやがれ。ロシアンルーレットの時間だ!」 「お、俺のデビルゾアが!!」 「あばよ、リボルバードラゴンの攻撃ガン・キャノン・リボルバー!!」 デビルゾアがリボルバードラゴンのガン・キャノン・ショットで3つの風穴を開けられ ゆらりと倒れ、そのままリボルバードラゴンの最後の一撃がデュエリストを撃ち抜く 主に仕留めた褒美にと言いたげに頭をやり、銃口から吹き出る煙を吹き消してもらった リボルバードラゴンは満足げに姿を消していく。 「ば、ばかな俺がこんなあっさりと・・・」 「で?お前さんのグループはどこに?」 「そ、それは・・・」 リボルバードラゴンの主は福本哲也、mayの大人勢の一人であり銃型ドラゴンシリーズを使うギャンブラーデッキの使い手である。 普段は温和で真面目なサラリーマンなのだが、デュエルとなるとまるで西部時代か暗黒時代からでも来たのかと言う様な ギャンブル狂いになってしまうのだ。どうやら相手は店長の言っていたレアハンターのようである。 「言えよ、デュエリストなら約束は守るもんだぜ?」 「わ、わったよアイツらは・・・ウッ!!オェッォ・・・ォッ」 だが相手の様子がおかしい、首を押さえるとジタバタと暴れ最後にはガクリと気を失ってしまった。 明らかに異常な様子に福本は目を細め、苦虫の残骸でもはき捨てるようにコンクリートの上につばを吐き捨てた。 「あらあら、気絶させちゃったの?」 「近神・・・」 近神、そう呼ばれた女性は非常に扇情的な衣装を着た女性で臍のピアスが特徴的であった。 彼女は快楽のために死ねるような快楽狂なのだが、幸いなことにそれは弱者をいたぶる物ではなく 自分の玩具を守るためにこうしてレアハンター討伐に協力をしてくれているのだ。 「分からん。しかしだ・・・負けた程度でこんなショックを受けるものでしょうか?」 「さぁ?デビルゾアだけが心の支えだったのかしら?」 だんだんと落ち着きを取り戻し、レアハンターの青年を担いだ福本を背に近神は何かを感じざるを得なかった 自分の持つ「闇のゲームの力」に似た何か、このレアハンターグループがただの欲に目のくらんだガキではない 何か裏があるのかもしれないと。だが近神はそれに怯えるでも決意をするでもなくただ楽しそうに 軽く自分の臍のピアスを弾き、新しいを玩具を見つけたような目をするのだった 「ドローっ!!モンスターを守備表示で召還ターンエンド!」 舞台はカードショップmay、デュエルスペースでは望と双海は壮絶なデュエルの果てに 望はライフ1600、そして双海は700という望有利に見えるが 望はフィールドに裏側守備が1枚、双海はデュアルしたヘルカイザードラゴンとヴァイロンデルタ 伏せは望は1枚で双海は2枚という実は双海有利という状況になっていた 「さっきヴァイロンデルタでサーチしたビッグバンシュートをヘルカイザードラゴンに装備!」 「これは望の正念場だな、このままじゃ貫通効果の2回攻撃なんやな」 そう、貫通効果をあたえるビッグバンシュートの前には守備表示モンスターは無意味だった だがビッグバンシュートは破壊されると、装備モンスターを除外する大きなデメリットが存在する 「マジックカード発動サイクロン!!ヘルカイザードラゴンを除外!」 「くそっ・・・なんてね!ここからが勝負だ望!」 それをついた望のサイクロンがビッグバンシュートを吹き飛ばす。これで勝負は分からなくなった だが双海はこれを読んでいたかのように、本命のカードでヴァイロンデルタの真の力を解放し この戦いに勝利するために、切り札を出してきた。 「罠カード反転世界だ!ヴァイロンデルタの攻守を変更!」 伏せてあった1枚は反転世界、これによりヴァイロンデルタは攻撃力2800の強力なアタッカーへ変貌したが これだけで終わりはしなかったヴァイロンデルタのためのもう一つの装備が隠されていた 「ヴァイロン・コンポーネント!これで最後だ!」 「貫通効果を付加させる装備魔法!まさかこのタイミングで来るなんて!」 「いけぇヴァイロンデルタ!リバーストライパニッシャー!!」 守備表示のモンスターはクリッター、反転世界で1000ポイントの守備といえこれが通れば望の敗北である だが望も墓地から最後の防御壁を放つ。このタイミングで発動できるカードといえば 「ネクロガードナー!」 「よしっ天罰発動!!」 だが最後に笑ったのは双海だった。クリッターを守るように現れたネクロガードナーの亡霊は雷を受け消え去り ヴァイロンデルタの腕に装備されたコンポーネットと背部の三角のオブジェが合体、巨大な光の剣を形成しクリッターを叩き切り これによる貫通ダメージで望のライフはゼロとなって、デュエルは双海の勝利に終わった。 「負けちゃったね、反転世界とヴァイロンコンポーネットは読めなかったよ」 「反転世界はフォースリリースで安心した相手が殴ってきた時に、コンポーネットは事故になりやすいけどマターもあるし少しだけならって」 「装備魔法との相性でヴァイロンなんだろうけど、デュアル以外の勝ち筋になっていいかもしれないね」 「ただ隠し味程度にしておかないと中途半端になっちゃうけどな」 お互いに健闘を称え、買ってたジュースで乾杯して一休みを始める。先ほど500円コーナーからトレードインを買うも やはりサイドデッキで十分だった、先ほどのデュエルで感じた望はトレードインと神の警告を交換していた 先ほどのデュエルでも手札から出せる状態のダークモンスターが殆どであり、トレードインを引くも それならダークモンスターを出せばいい、またはレベル8がいないと散々な結果だったらしい 「Gで気にしすぎだったなぁ」 杞憂で骨折り損のくたびれもうけ、ため息しか出ない望は買っていたポータン饅頭(黒糖味)を口に 疲れたと天井を見上げる。先ほどのデュエルはそれほどに白熱したものがあったのだ。 それ以前にしゃがんだり背伸びをしてカードを探し回った望は、さらに疲れを感じているようだが 入り口から聞こえてくる聞き覚えのある声に望の顔から疲れが少しだけ抜けた 「福本さんおかえりなさい」 「やぁ望君それに幸平君」 「見回りお疲れ様でーす」 福本が帰ってきたのだ、望と双海が軽くお辞儀をすると福本は少し疲れたように腰掛けて クラッシュタウンモデルのデュエルディスクをテーブルの上に置いて肩をならしていた 「レアハンターグループを捕まえれなくてね、まだどこにいるか分からないし気をつけるんだよ」 「「はーい」」 「高額レアカードは出来るだけ持ち歩かないほうがいいね、あと無闇に人に見せない」 「僕らも気をつけないとね、デミスが取られたら大変だよ」 「・・・なぁ望、美影のブリューナクって高いって・・・」 「そんなに高かったの?」 心配そうになる双海に、ブリューナクの価値を聞いてみると望も不安そうになっていた 弱虫な面もある双海はもしかしたらと焦り、望はまさかと思いながらも不安が募り始める 何があったのか福本が尋ねると嫌な予感がすると先ほど外したディスクを腰にかけていた 「やれやれこんな時にレアハンターが出るなんて・・・」 「あの、美影さんに電話してみます」 連絡してブリューナクを家にでも置いておくように、美影の携帯にメールではなくすぐ伝わるように 電話をかけたのだが、電話に出た美影は様子がおかしく何かがあったと望の血の気が引いていった 「望すまない、今はアンティデュエルしているんだ」 「美影さん?美影さんあっ・・・どうしよう遅かったみたいです!」 つまりどこかで美影はアンティルールをしているというのだ。おそらくレアハンターが相手に違いないと 望はデュエルディスクをセットして店の外にかけていく。福本もデュエルが終わる前に見つけなければと デュエルディスクをセットして臨戦態勢を取る。さぁ果たして美影の運命やいかに 「い、いけない!!早く探し出さないと!!」 後編に続く そんなデュエルしないSS続き
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「ふたば系ゆっくりいじめ 406 2200円れいむ(後編)/コメントログ」 オチワロタwwwww -- 2010-09-16 10 10 20 最後www -- 2011-08-17 21 23 38 ヒャッハーさいっこーのSSさんだぜぇ!!もっとSSさんかいてね!! -- 2012-06-19 21 35 23 holy shitwwwwwwwwww -- 2012-08-16 18 46 55 選択死wwwwww -- 2012-08-16 18 48 14 元飼い主のお兄さんは、何故れいむを飼っていたのかわからないくらいれいむに思い入れ無いな。 前提条件の崩れた作品はツマンナイ。 所々のアイディアは面白いのに。 -- 2018-02-01 15 31 43
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< 【back】 【next】 > 昼 委員長 犬 昼休み…、それは平日の学生に許された長い休み時間… 「いいのか? そんな誘いに乗って? 俺はどんな奴でもサッカーに誘っちまう奴なんだぜ?」 そんな毒男たちの誘いにホイホイ乗って俺はサッカーに興じている… 「ムシャムシャしてやった。今は反すうしている」 今はそんなセリフを吐いて投げ出したい気持ちで一杯だ。 校庭のど真ん中でガチガチ震えながらボールの動きを目で追っていると、近くにボールが落ちてバウンドする。 「稔!ボール行ったぞ!!!」 遠くで長岡の声がして走り出すが、寒さのせいでぎこちない動きになってしまった。 「ヒャッホー! いただきぃ!」 毒男が華麗にボールを奪い去るとそのまま一人でボールをゴールに叩き込んだ。 その瞬間、相手からは歓喜が上がり、見方からは落胆の声が上がった。 無言のまま長岡が近づき、俺をボカッと殴った。 「いてぇ! 何すんだよ!」 「稔、お前、これで三回目だぞ?」 三回目とは俺の目の前に落ちたボールを毒男が奪い取りゴールに叩き込むんだ回数ことだ。 長岡は校庭でうなだれる面子を指差す。この勝負に負けると一週間ジュースを相手におごらなければならないのだ。 「すまん…、寒くて体が動かないんだ」 『ボカッ』また無言で長岡に殴られた。 「お前今日はやたらと暴力的だな」 「稔! お前なあ、ジュース一週間分だぞ? 寒さなんかに挫けてどうするよ!?」 おっぱい以外でも真剣になるのかと殴られた部分を手で押さえて感心している俺を尻目に長岡は語り続ける。 「せっかくおっ○いスライダーを買うためにこつこつためておいた貯金を果たさせる気か!」 やはりおっぱいか…とあきれた表情を浮かべていると長岡の語りがぴたりと止まった。 「走ると体が温まるぞ! ちょうどそこに犬もいるし、犬に追いかけてもらえ!」 振り向くと大きな犬が毒男に飛び掛って噛み付く瞬間だった。 「痛えええぇぇぇ!」 毒男が叫び声をあげる。犬は毒男がショックで気絶するまで何度も噛み付いていた。 そして毒男から反応がなくなると犬はおもむろに頭を上げる。口元は赤く染まりふざけての甘噛みではなく本気噛みだった。 校庭にいた全員がクモの子を散らすようにその場から逃げようとした。 しかし、逃げ惑う俺たちを見て興奮したのか犬はよりによって俺を次の獲物として認識したようだ。猛烈な勢いで突進してくる。 もちろんやられたくないので俺は駆け出した。時間稼ぎもあるし何より他の人間を危険に晒すわけにはいかない。 冬の昼休みに外にいる人間はまずいないし、中途半端な時間で移動する人間もいないと思い渡り特別教室へ続く廊下を目指して走った。 だがこういう予想外の出来事には予想外のことが重なることも多い。走っていく先には委員長がいた。 「委員長! 逃げろ!」 委員長が声に気づきこちらを見る。まだ俺の後ろにいる犬には気がついていないようできょとんとしている。 俺が進路を変えようとしたとき、犬は俺を追い抜いていった。その先には委員長がいる。 『委員長が襲われてしまう』そんなことを考えた時には犬は委員長に飛び掛っていた。 襲われた反動でゴロゴロと転がる委員長と犬。だがなぜか悲鳴が聞こえることはなかった。 委員長が馬乗りになり犬を押さえつける不思議な光景が見えた。急いで駆け寄ると委員長は犬の首の側面を押さえつけていた。 始めはじたばたとする犬だったが程なくして動かなくなっていた。別に死んでいるわけではないただ気絶をしているようだった。 「大丈夫か!?」 何人もの先生が騒ぎを聞いて駆けつけたが、既に騒ぎの元凶は泡を吹いて地面に伏していた。 その後、事情を聞かれたが突然のことでよく覚えていないと言うとすぐに釈放してもらい授業が始まるまで時間をつぶしていた。 放課後、相変わらず頼まれごとで教室に残る委員長と昼休みのことを話した。 どうしてそこにいたのか、どうして無事だったのか、怪我はないか…。いくつも聞きたいことはあったが、とりあえず犬に何をしたのか聞いてみた。 「とっさのことであまり覚えていないのですが、たぶん動脈を押さえて気絶させたのだと思います…」 いつもと同じ声の抑揚、表情のはずだがなんとなく違和感を覚えた俺は委員長が嘘をついているような気がした。 「動物は好きですけど、襲われるのは嫌ですね」 「当然でしょそれはw」 俺が笑いながら返事するとつられて委員長も笑い出した。笑っている委員長を見るとさっきの違和感はなかった。 『きっと考えすぎだったんだろう』と思い、俺は違和感の記憶を忘却の彼方へ流してしまった。 委員長とボールペン 四時限目の終わりを告げるチャイムが鳴ったが、ググレの野郎は未だに黒板に向かって理解しづらい公式を書き殴っている。 「――であるからして、この公式から先生の頭脳の偉大さが分かるだろう。こればかりは辞書にも検索サービスにも載っていない。貴様らが知らなくても恥ずべきことではないぞ」 ……何を言ってんだあのググレカスは。 しかも、黒板の文字の読みにくさと言ったら、現代の日本語じゃなくて古代中国の亀甲文字かと疑いたくなるくらいだ。 よくまあ、みんな、あんな下手糞な字をノートに書き取れるもんだな。 ちょっと気になったので視線を黒板から離し、手近なところでジョルジュの方を見てみた。 長岡は――あいつはノートに向かって一心不乱に書き込んでいた。 誤解の無い様に付け加えておくが、あいつがノートに書いているのは黒板の文字じゃない。おっぱいだ。 ググレのような糞つまらない授業のとき、長岡はノートに理想のおっぱいを描いている。 『好きこそ物の上手なれ』なんて言うけど、おっぱいだけなら長岡は神絵師だ。それ以外は幼稚園児以下だったけど。 ドクオはなんというか、予想通りに面倒くさそうな顔で窓の外を眺めていた。 最後に俺は、チラっと隣の席の委員長を見てみた。 ……さすが委員長だ。真面目にノートを取っているじゃないか。 頼めば、後で内容を写させてもらえるだろうか? もちろん、長岡じゃあるまいしタダで頼むなんて事はしない。 俺は財布の中の軍資金の残額を思い出す。学食のラーメンなら、確か一杯分は奢れる程度の金はあったはずだ。 「以上、今日の授業はここまでだ。今日の授業について質問は受け付けんぞ。黒川さん、号令」 「起立。気をつけ――礼」 ググレがお定まりのセリフを吐いて、昼休みに五分以上食い込んだ四時限目がようやく終わった。 ノートと教科書を机にしまいこんだ委員長に俺は声をかけた。 「なあ、委員長。学食、一緒に行かないか?」 「え……私と、ですか?」 きょとんとする委員長。普段が真面目で凛々しいだけに、その表情は幼さにも似た愛らしさがあり、思わずドキッとしてしまった。 「あ、あぁ……その……さっきの授業のノートを貸して欲しくてさ……」 「ノートでしたら、いつでもお貸ししますよ?」 委員長が、ごそごそとしまったノートを机から取り出そうとする。 「いやいや、タダで借りるのも悪いし。前払いっつーことで学食のラーメンでもどうかなーって思ったんだけど……ダメかな?」 ……いきなり強引過ぎただろうか? ノートを借りたいのは本心だが、それ以上に委員長と一緒に飯を食いたいという本音もある。 なので、恐る恐る聞いてみたのだが。 「駄目なわけありません。それでしたらお言葉に甘えます」 委員長は逡巡することなく二つ返事で席を立った。 ラーメンが好物だと聞いといてよかったぜ。 俺は心の中でガッツポーズをしながら、委員長のラーメン好きに感謝した。 ■ ■ ■ ググレのせいで出遅れたのもあったが、やっぱり学食は混みあっていた。 「藤宮君のお陰で、売り切れる前にラーメンが買えました」 「あぁ、うん……それは良かった……ね……」 紅しょうがを山のように盛り付けた塩ラーメンをトレーに乗せたまま、委員長がにこやかに笑った。 ……さすがに載せ過ぎじゃないかと思う。これじゃまるで紅しょうがラーメンだ。 「やっぱさ……委員長って、味オンチだよね」 「ひ、人が気にしていること、言わないでください……」 恥ずかしそうにうつむく委員長。そんな顔も可愛いと思う俺はSなのかもしれない。 「さて。飯は買えたけど座れそうな場所は……っと」 生徒たちで混み合う食堂の中を見回し、 「おっ、いたいた。おーい、伊万里ー」 冷水器近くのテーブルで昼食を取っている伊万里に声をかけた。 「って、お前もラーメンかよ」 「なにさ、ボクが何食べようとボクの勝手でしょ? てか、ボクにラーメンを食べるなって言うの?」 「んな事言うかよ。お前の好きなもの食えよ。ラーメンでもツタンカーメンでも」 「そうそう、あの渇き具合がビーフジャーキーみたいで……ってンなもんなんか食えるかっ!」 さすが幼馴染。こういうノリツッコミはお前がナンバーワンだ。 と、挨拶代わりのネタが終わったところで、伊万里は俺の隣にいる委員長に気がついたらしい。 「およ? みのりんと委員長ってなんか珍しい組み合わせじゃない?」 「珍しいとか言うなよ。クラスメイトだから一緒に飯だって食うさ。ま、そういうわけなんで、座らせてもらうぞ」 半ば強引に俺はテーブルに着いた。委員長も、少し迷っていたようだったがラーメンの誘惑に負けたのかトレーをテーブルにおいて席に着く。 まあ麺類は時間が経つとノビてしまうから、早く食べなきゃいけないよな。 「いただきます」 俺は目の前のゴーヤチャンプル定食に軽く手を合わせて、山と盛られたチャンプルから箸をつけていった。 ……ゴーヤは正直苦手だ。こんな苦いものを食べるなんて沖縄の人たちはチャレンジ精神が豊富だと思う。 なんで、好きでもない物を頼んだかというと、塩ラーメンが意外に高かったのと俺が財布の残額を一桁間違えて覚えていたことが原因だ。 委員長はと言えば、レンゲに麺と紅しょうがを載せると、細長く息を吹きかけて麺を冷ましながら食べている。 どうやら眼鏡が曇るのを徹底的に避けているようだ。その気持ちは分からなくもなかった。 「くそ……どうしてこんなに苦いんだ……」 「よう、稔。お前、ゴーヤなんか食ってんのか?」 俺がゴーヤ独特の苦さを味わっていると、ドクオと長岡が一緒にやって来た。 どうやら二人も座る場所を探していたようだ。 「ちょっと邪魔するよ」 ドクオたちは手近なテーブルから椅子を二脚持ってくると、俺たちのテーブルに座った。 ちなみにドクオの昼食はエビフライ定食。長岡のはおっぱいプリンだった。 「女子の目の前でおっぱいプリンを躊躇いもなく喰うだなんて……さすが長岡だ。俺には恥ずかしくて出来ないことを平然とやってのけるっ! けど痺れもしないし憧れもしねえというかセクハラだぞセクハラ。いつか訴えられるぞお前」 それ以前に、おっぱいプリンを売っているうちの学食がアレ過ぎる。カオスだ。 「稔、そんなに誉めるなよ。照れるじゃないか」 「誉めてねえよ。照れるな。キモい」 「あはは、ジョリーはいつ見ても面白いね」 「まあ……確かに長岡君は、あまりいないタイプのキャラクターですよね」 爆笑する伊万里につられて、苦笑する委員長。 委員長のことを暗いとか無愛想だとか言う奴がいるけど、それは大きな間違いだ。彼女は、こんなにも違った表情を見せてくれている。 昼食は和気藹々と――長岡が、おっぱいプリンにハチミツと練乳を1:2で混ぜたシロップをぶっかけ、チェリー色したティクビからむしゃぶりつくといった暴挙を除けば――過ぎていった。 「つーかさぁ。ググレの野郎、マジ調子乗ってるよな」 冒涜的な方法でプリンを喰らい尽くした長岡が、腹をさすりながら言った。 「あいつのせいで、俺はおっぱいプリンを一組しか買えなかったんだぜ。いつもなら、もう一組買っておいて下校中に愛でることも出来たのに!」 ……いつもそんなことしてるのか。 長岡のおっぱいにかける情熱というか異常性はさておき、ググレカスの奴がムカつくのは俺も同意見だ。 「だよねー。あの先生、質問しても『自分で調べろこのクレクレ厨がッ!』とか言うんだもん。ボクもあの人の授業受けたくないよ」 伊万里も腹立たしいことを思い出したのか、ムッと頬を膨らませた。 「まあまあ。九暮先生はきっと、私たちが与えられるのを待つだけの人間にならないように、あえて質問に答えないのかもしれませんよ?」 「いや、委員長。さすがにそれは好意的な解釈が過ぎないか?」 そんな立派なことを考える教師が、俺を目のカタキにするわけ無いだろう。 「マジでホント、あのググレの奴、卒業までに一回シメてボコボコにしてやんよ」 シュッシュッ、と中空にジャブをかます長岡。おっぱいプリンを二組買えなかったのが、相当頭にきているらしい。 「んな面倒くさいこと、やめとけって」 ダルそうにドクオが言った。 「大体、お前に先生を殴れる度胸があるとは思えん」 ドクオの指摘は正しい。俺は思わずうなずいた。 「ジョリー……ボクも暴力に頼るのはどうかと思うよ?」 「私も……長岡さんには、一歩を踏み出せる勇気が無いと思います……」 伊万里もさることながら、あの委員長でさえも遠慮がちに同意している。 まさに四面楚歌とはこのことだ。 「ち、畜生っ! お、俺にだって度胸くらいあるさ!」 長岡は涙目になりながら、制服の胸ポケットからボールペンを取り出した。 テーブルの上に左手を投げ打ち、指と指の間を限界まで開く。 「あ、あれは、もしや噂に聞く『拿畏怖外射武(ナイフゲーム)』!!」 「知っているのか伊万里!?」 「『拿畏怖外射武』とは……古代中国の殷王朝時代の拷問を元に生まれた度胸試し。 指の間を刃物が跳ね回ることから指間跳刀とも呼ばれ、その熾烈なプレッシャーから手先を誤り、指を落すものも多かったとか! 余談だが『指を詰める』とは後漢の武将、建韓中(ケンカンチュウ)が敵軍につかまった際、指をすべて切り落してこの度胸試しを行って勇気を示した故事が元になっているとか」 「……即興でそこまで出てくるお前の才能が怖いぞ」 「いいか、見てろよ。おっぱいの求道者ジョルジュ長岡様の生き様をッ!」 大見得を切った長岡はボールペンを勢いよく親指と人差し指の間に―― ざくっ 「うわああぁぁああぁぁぁあああぁぁぁあっ!!?」 狙いがそれて思いっきり人差し指に突き刺さっていた。 「うわー……ボク、あんなAAみたいな顔で悲鳴上げる人、はじめて見たよ……」 「痛ぇぇぇ、いでぇよぉぉぉぉぉっ!!」 痛みとショックで我を失ってるなんて、どこの拳法殺しだお前は。 バシャっ 今にも平手で襲い掛かってきそうな長岡の顔に透明の液体がぶちまけられた。 「ひっ――冷てぇ――!」 「落ち着いてください。長岡君」 水をかけたのは委員長だった。底に滴の残ったコップをテーブルに置き、きわめて冷静な声で言った。 「その程度の傷では、人は死にません」 「で、でも……痛いし、血が……たくさん出てるし……」 「成人男性でも総血液量の3分の1……およそ1.5リットルを失わない限り、失血性ショックは起きません。 それに見たところ、あなたが傷つけたのは静脈のようですよ。血の色が黒ずんでいます。ヘモグロビンの酸素含有量が少ない証拠ですね」 冷静で理性的な論調に、長岡の表情にも落ち着きが戻ってくる。 「ボールペンはまだ抜かない方がいいですね。保健室に行って養護の先生に診てもらってからの方がいいでしょう。 手首の……そう、そこ。そこが止血点です。そこを押さえて……ええ、でもあまりキツく押さえると血が行きにくくなりますから、時折緩めてくださいね。 ドクオさん、長岡君を保健室に連れて行ってください」 てきぱきと指示を飛ばす委員長。 「……あいよ」 さすがのドクオも今回ばかりは自分が煽った負い目があるのか、どんよりとした顔の長岡を連れて食堂を出て行く。 昼休みが終わりに近づいてきたこともあって、食堂の慌しさは先ほどまでの騒然としたものから、日常的な喧騒に戻っていた。 「すごいな。委員長は……」 俺は思わず呟いた。 「え、何がでしょう?」 「いや、委員長って傷の処置とか色んな事を知ってるんだなと思ってさ」 「すごくなんかないですよ。全部、父に教わっただけのことですから」 「だとしても、それを覚えて実行できるのは素直にすごいと思うよ。ほら、俺なんか血が出てきただけで半分パニくってたもの」 「まあ……私は、血とか見慣れてますから」 はにかむように微笑む委員長だったが、それを聞いた伊万里が顔を真っ赤にした。 「い、委員長……そ、それって下ネタだよぉ……」 「え? 何が…………あ」 伊万里がどうして照れてうつむいているのか、委員長は訳が分からないようだったが、だんだん理解をしてきたのか、頬に赤みが増していった。 「あ、あの……小金沢さん、藤宮君……私、そ、そんな意味で言ったんじゃ、な、ないんです……けど……!」 「そっ、そうだよ伊万里。委員長が下ネタなんか言うわけないじゃないか。何言ってんだよバカだなあ」 「そそ、そうだよねー。さっき聞こえたのはボクの幻聴に違いないよ。最近足音が一つ多く聞こえたりするからその関係だよね!」 気まずさを吹き飛ばすように、とにかく俺たちはお互いを誤魔化しあうように笑いあっていた。 さすがに委員長は、俺たちみたいに馬鹿笑いはしなかったけど―― 「……くすっ」 嬉しそうな笑顔が見られたのは、ものすごい収穫だったと思う。 ちなみに、長岡の怪我は2週間ほどで治るそうだ。 < 【back】 【next】 >
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#blognavi ホワイトデーSS当選は より芝村氏のコメント 3つともやります。BALLSボーナスとヤガミの奴と並行するんでなんか大変な予感。 芝村 2006/03/15 18 08 本当のことを言うと皆が楽しめるメジャーカップルが一組出るまでサイコロふろうと思っていたのですが、出目が悪すぎて心が折れました。 ごめんね。 芝村 2006/03/16 00 40 カテゴリ [ブログコメント集] - trackback- 2006年04月01日 07 11 57 #blognavi
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こちらは、MEIKOがメインのSS置場になります。 song... おさななじみ My Little Brother すでにさじは乾いていた 君の言葉、君の歌声。